2014年に放送され話題となった、原作 湊かなえ「Nのために」。
ここでは、「Nのために」の全話あらすじを簡潔に、ネタバレありでまとめています。
以下、ネタバレを含みますので、視聴がまだの方はご注意ください。
相関図


あらすじ
高層マンションで起きた野口夫妻殺人事件をきっかけに、15年前のある事件と、4人の男女が抱える秘密が少しずつ明らかになっていく。
登場人物たちに共通する、イニシャル「N」。
「N」たちはどのように出会い、誰を愛し、どんな罪を犯したのか。
15年の時を超えて交錯する4人の想いと、事件に隠された真実とはーー。

第1話「セレブ夫婦殺人事件…15年前に隠された秘密」
2004年12月、東京・高層マンション「スカイローズガーデン」で、野口貴弘と妻・奈央子が殺害される事件が起こる。
現場には、大学生の杉下希美、安藤望、西崎真人、成瀬慎司の4人が居合わせていた。警察は西崎が奈央子を救うために野口を殺害し、その後、奈央子を誤って死なせたと判断する。しかし、事件には4人それぞれが抱える秘密が隠されていた。
物語は15年前へさかのぼる。香川県の青景島で暮らしていた希美は、父・晋が突然家族を捨てて愛人と暮らし始めたことで、母・早苗や弟たちとの生活を余儀なくされる。家を失った希美は、同級生の成瀬の父が経営する料亭「さざなみ」に助けられる。
一方、成瀬もまた、家庭の事情を抱えていた。
現在と過去を行き来しながら、野口夫妻殺人事件と15年前の出来事が少しずつつながっていく。
第2話「放火事件の謎…許されない罪の共有」
父・晋が家を出てしまい、母・早苗から「一人にしないで」と頼まれた希美は、島を出て大学へ進学することを諦めかけていた。しかし、家族のために自分の人生まで犠牲にすることに疑問を感じ、ある決断をする。
そんな中、成瀬の父・周平が経営する料亭「さざなみ」で火事が起こる。
火事の原因をめぐって、周平には多額の借金があることが明らかになり、放火の疑いまでかけられる。希美と成瀬は、周平を救うために動くが、そこには二人だけが知る秘密があった。
希美は家族から逃げるため、成瀬は父親を救うため、それぞれが大きな決断を迫られる。
そして、希美と成瀬は「誰かのために嘘をつく」という共通の経験をすることになる。
後の野口夫妻殺人事件にもつながっていく「罪の共有」が、ここから始まっていく。

第3話「反撃開始 舞台は東京へ!運命の出会い」
大学進学を諦めたくない希美は、母・早苗のもとを離れ、東京へ行くことを決意する。母を残して島を出ることに罪悪感を抱きながらも、自分の人生を取り戻すために一歩を踏み出す。
東京では、アルバイトをしながら大学生活を送り、古いアパート「野バラ荘」で暮らすことになる。
そこで希美は、同じ野バラ荘に住む西崎真人と出会う。西崎は過去に家庭内で受けた虐待による心の傷を抱えており、どこか影のある青年だった。
一方、希美は大学で安藤望とも出会う。安藤は将来への希望を持ち、自由に生きる希美に興味を持つようになる。
希美、安藤、西崎という3人の関係が始まり、さらに成瀬との過去も希美の心に残り続ける。
東京での新しい生活が始まる一方、希美は野バラ荘を守るため、ある計画を考えるようになる。
第4話「被害者Nと出会った日…すれ違う2人」
野バラ荘の取り壊しを知った希美は、安藤や西崎とともにアパートを守るための「N作戦」を企てる。野バラ荘を買い取るためには大金が必要だったため、3人はそれぞれの力を使って計画を進めていく。
そんな中、希美は野口貴弘と出会う。野口は成功したエリートで、妻・奈央子とともに裕福な生活を送っていた。しかし、その華やかな暮らしの裏側には、夫婦の複雑な関係が隠されていた。
一方、成瀬は父・周平の突然の死を経験する。父を亡くしたことで、成瀬の人生も大きく変わっていく。希美と成瀬は互いを大切に思いながらも、なかなか素直な気持ちを伝えられないまま、別々の道を歩み始める。
そして希美、安藤、西崎、野口という「N」のつながりが、後に起こる事件へと少しずつ近づいていく。

第5話「沖縄の夜 新たな恋から歯車が狂い出す」
野バラ荘を守るため、「N作戦」を実行しようとする希美と安藤。野口が主催する沖縄でのボランティア活動に参加し、野口に近づくことになる。野口は社会的に成功した人物として振る舞っているが、希美は彼の言動にどこか不信感を抱く。
一方、安藤は野口の考え方や生き方に影響を受けながら、次第に彼との距離を縮めていく。そんな安藤を見つめる希美の中にも、少しずつ特別な感情が芽生えていた。
さらに、希美と成瀬の関係にも変化が訪れる。過去の出来事によって離れてしまった二人だが、互いを思う気持ちは消えていなかった。
それぞれが「大切な人のため」に行動することで、歯車は少しずつ狂い始める。
後の野口夫妻殺人事件へとつながる人間関係が、ここでさらに複雑になっていく。
第6話「許されぬ愛…罪人たちの悲しい告白」
希美のもとを野口奈央子が訪ねてくる。しかし希美が留守だったため、奈央子はアパートの前で待つことに。そこへ西崎が現れ、二人は顔を合わせることになる。
奈央子は野口との夫婦関係に苦しんでおり、西崎もまた奈央子を守りたいという思いを抱いていた。西崎は、過去の家庭環境から「誰かを守る」ということに強い執着を持っており、奈央子に対する気持ちも次第に大きくなっていく。
一方、希美は安藤との関係や成瀬への思いの間で揺れ動いていた。登場人物たちは、それぞれ「この人のために」と思って行動しているものの、その善意が別の誰かを傷つける結果にもつながっていく。
野口、奈央子、西崎、希美、安藤、成瀬。それぞれの「N」のための行動が重なり、事件の輪郭が少しずつ見え始める。

第7話「語られる事件の悲劇…歪んだ愛の代償」
2014年。野口夫妻殺人事件から10年が経っていた。
事件を追い続けている元警察官の高野は、事件の真相に疑問を持ち続けていた。そんな高野に対し、希美は自分ががんを患い、余命1年と宣告されていることを打ち明ける。
希美はさらに、2004年の事件当日に自分が見たことについても語り始める。
一方、過去の出来事では、野口夫妻の間にある異常な関係が明らかになっていく。野口は奈央子を支配し、奈央子はその苦しみから逃れようとしていた。
そんな奈央子を救おうとする西崎は、次第に自分自身の過去と重ね合わせるようになっていく。
現在の希美が高野に語る事件の記憶と、過去の出来事が交互に描かれ、視聴者にも「本当に西崎が野口を殺したのか」という疑問が生まれていく。
事件の裏には、単純な殺人事件では説明できない、それぞれの「愛」が存在していた。
第8話「エリート夫の嘘と罠…炎に消えた真実」
西崎は、野口から奈央子を救い出すため、「N作戦II」を実行しようとする。そして希美と成瀬にも協力を求める。最初は計画への参加をためらっていた成瀬だったが、奈央子を救いたいという希美の思いを知り、協力することを決める。
一方、野口は奈央子の行動を警戒し、彼女を逃がさないようにする。野口夫妻の関係がさらに悪化する中、希美たちは計画を実行するため、それぞれの役割を確認していく。
しかし、計画には思わぬ問題が発生する。誰かを助けるためについた嘘が、別の人間を追い詰めていくことになるのだ。
そして、過去に起きた「さざなみ放火事件」にも新たな事実が浮かび上がる。
希美と成瀬がそれぞれ背負ってきた秘密が、10年後の野口夫妻殺人事件とつながっていく。

第9話「最終章~前編~今夜事件の幕が開く!」
希美は医師から余命1年と宣告されるが、その事実を誰にも知らせないことを決める。安藤との関係が続く一方で、成瀬もまた希美の病気を知り、彼女を思う気持ちを強くしていく。
そんな中、さざなみ放火事件の真相を知る夏恵が、すべてを書き残した手紙を残して姿を消してしまう。高野は事件の真相を明らかにするため、過去の出来事を追い始める。
そして物語は2004年12月24日、野口夫妻殺人事件当日へ。希美、成瀬、安藤、西崎の4人は、それぞれの「N」を守るために計画を実行しようとしていた。
しかし、誰かを守ろうとした行動が、予想もしなかった悲劇を招くことになる。
野口夫妻のいる部屋で何が起きたのか。なぜ西崎は罪をかぶったのか。そして、希美が最後まで隠していた真実とは何なのか。
事件の全貌が、ついに最終話で明らかになる。

第10話「明かされる事件の真実…N達の未来」
2004年12月24日、希美は野口に将棋で安藤に勝つための方法を教えていた。
しかし、野口から「将棋に勝ったら安藤を僻地へ赴任させる」と聞かされた希美は、安藤を守るために「N作戦II」の存在を野口に明かしてしまう。
その頃、西崎は花屋に変装して野口家へ向かい、奈央子を連れ出そうとしていた。しかし、野口が現れ、計画は思わぬ方向へ。安藤も予定より早く野口家へ戻ってくる。
その後、野口夫妻が死亡しているのを発見した安藤は、自分が事件に関係していると思い込む。希美は安藤を守るため、成瀬にも真実を話さず、事件について口を閉ざす。
そして10年後、希美は母・早苗とも再会し、自分が背負ってきた過去と向き合う。
野口夫妻殺人事件の真相だけでなく、希美、成瀬、安藤、西崎、それぞれが「誰かのため」に選んだ行動の意味が明らかになる。
最後に希美が成瀬へ伝える思いによって、長い年月をかけてすれ違ってきた二人の関係にも、一つの答えが示される。

観終えた感想
とにかく切なく、心に残るドラマでした。
父親が突然、愛人を家に招き入れ、家族が追い出される。路頭に迷う希美たち家族。
歯を食いしばり、強く生きようとする希美と、それを支える成瀬。その成瀬もまた希美に支えられ、やがて二人は別々の道を歩むことになります。
恐ろしい父親だけど、希美は本当に賢かった。
仕事中の父親の前で土下座して「学費を貸してください!」と懇願すれば、父親もみんなの手前、出さないわけにはいかない。
すごい屈辱だったと思います。でも、背に腹は代えられない。自分の未来をつかむためなら、どんなことでもするという希美の覚悟に、胸が締め付けられる思いでした。
そして、成瀬の父が経営する「さざなみ」の火事によって二人に生まれた「罪の共有」。
これが、離れていた二人を再び強く結びつけていったんですよね。
安藤に事件の真相を話さず、彼が事件に関与していないようにするために行動した希美。
希美を守るため、事件の真相をむやみに話さず、彼女の罪をかぶるような形で沈黙した成瀬。
そして、奈央子の姿に自身の過去を重ね、彼女を守ろうとした西崎。
傷つけられても、野口から離れることを選べなかった奈央子。
西崎の「守りたい」という思いと、奈央子の「離れられない」という思いがすれ違ってしまったことも、この事件の悲劇だったんだと思います。
安藤と成瀬の間で揺れ動く希美でしたが、最後は成瀬と一緒になる結末で本当に良かった。
そして、成瀬のこの言葉。
「何も考えずに、ただ一緒におらん?」
もう、このシーンは忘れられません。
激熱胸キュンでした!!
窪田くん、カッコ良すぎてヤバかったです(笑)。
「誰かのために」と必死に生きてきた二人が、最後には何も考えず、ただ一緒にいることを選ぶ。
それまでの二人の長い年月を思うと、もう涙が止まりませんでした。
こんなに引き込まれたドラマは初めてかもしれません。
最終回は、ただただ感動して大号泣。
「なんかおもしろいドラマある?」と聞かれたら、真っ先に『Nのために』と答えます。
切なくて、苦しくて、それでも最後には温かい気持ちになれる。
最高のドラマでした!


