2026年7月から放送された『一次元の挿し木』は、松下龍之介の同名小説を原作としたドラマです。
ここでは、ドラマ『一次元の挿し木』の1話から最終話のあらすじを、ネタバレありでまとめています。
以下、ネタバレを含みますので、視聴がまだの方はご注意ください。
相関図

あらすじ
遺伝学を学ぶ大学院生の青年が、インドで発掘された200年前の人骨のDNAが4年前に失踪した義妹のものと一致した謎を追うサスペンスミステリー。

第1話 200年の時を超えた謎
4年前の豪雨の日に行方不明になった義妹・紫陽を、今も生きていると信じている大学院生の七瀬悠。
そんな悠のもとに、恩師・石見崎教授から奇妙な依頼が舞い込む。それは、インドのループクンド湖で発見された「200年前の人骨」のDNA鑑定だった。
ところが鑑定結果を見た悠は驚愕する。なんと、その人骨のDNAが、行方不明になった紫陽のDNAと完全に一致したのだ。
200年前に亡くなった人骨と、4年前まで生きていた紫陽が同じDNAを持っている――。
あり得ない結果に疑問を抱いた悠は石見崎教授のもとへ向かうが、そこで教授の遺体を発見する。さらに研究室から人骨とDNAサンプルまで盗まれていた。
教授の死と紫陽の失踪には、何かつながりがあるのではないか。
悠は教授の姪・唯とともに真相を追い始める。しかし、そんな2人を謎の男・牛尾が監視していた。
200年前の人骨と紫陽には、いったいどんな秘密があるのか――。

第2話 200年前の人骨の秘密
200年前の人骨と紫陽のDNAが一致した謎を追う悠と唯は、発生生物学の世界的権威・仙波佳代子にたどり着く。
しかし仙波は、事件について何か知っている様子を見せながらも、悠に「これ以上調べないほうがいい」と忠告する。
一方、義父の京一からも、ループクンド湖の人骨は危険なルートで入手された可能性があるため、関わるなと言われる。それでも悠は調査を続けることに。
そんな中、日江製薬を調べていたフリー記者・小野寺が、謎の組織「樹木」の存在を突き止める。しかし、小野寺は何者かに追われ、その後遺体となって発見されてしまう。
さらに、石見崎教授の部屋から見つかった髪のDNAが仙波のものと一致。
石見崎教授と仙波は、いったい何を隠しているのか。
そして、悠の後輩・新橋が謎の女性・春日にループクンドの人骨を渡していたことも判明する。
事件の裏で、誰かが人骨を利用して何かを企んでいる――。

第3話 古人骨と義妹を巡る謎
悠と唯は、石見崎教授の死の真相を探るため、仙波についてさらに調べ始める。
悠は仙波の自宅に潜入し、石見崎教授から仙波へ送られたメールを発見する。そこには、石見崎が「骨を手に入れた。自分の罪と向き合う」と伝えていたことが書かれていた。
石見崎教授は、200年前の人骨について何か重大な秘密を知っていたのだ。
一方、唯はループクンド湖の発掘現場を写した古い写真を見つける。そこには石見崎だけでなく、仙波、そして悠の義父・京一の姿まで写っていた。
3人は過去に一緒に研究をしていたことが分かり、悠はますます疑念を深める。
そんな悠の前に牛尾が現れ、「ループクンドの人骨について知りすぎた」と警告する。さらに、紫陽を見つけても殺すと告げるのだった。
紫陽は本当に生きているのか。
そして、京一たち3人は過去に何を研究していたのか――。
悠の知らないところで、紫陽を巡る秘密が少しずつ明らかになっていく。

第4話 運命を狂わす義妹の真実
京一、仙波、石見崎の3人が過去に行っていた研究には、日江製薬の重大な秘密が隠されていた。
京一の部下・前原は、研究施設に入り込み、残された資料などの証拠を処分していく。
一方、週刊誌編集長の平間は、日江製薬の新薬開発費に不自然な金の流れがあることを知り、独自に調査を開始。さらに、日江製薬と「樹木の会」という宗教団体に関係があることを突き止める。
そんな中、悠は牛尾に襲われ負傷。さらに警察にも追われることになってしまう。
逮捕された悠は、刑事の黛に「自分を追い詰めているのは京一だ」と訴える。
しかし、釈放された悠を待っていたのは、さらに衝撃的な事実だった。
黛は悠に、「紫陽はこの世に存在しない」と告げる。
これまで悠が信じ続けてきた義妹・紫陽。
もしかすると、紫陽の存在そのものが悠の記憶に隠された秘密なのかもしれない。
紫陽は本当に存在していたのか――。

第5話 待ち受ける悲しき真実
京一から「紫陽という妹は存在しない。すべて悠の妄想だ」と告げられた悠。
さらに、一緒に事件を追ってきた唯とも連絡が取れなくなってしまう。
不安になった悠が石見崎の姉に唯のことを尋ねると、返ってきた答えは衝撃的なものだった。
なんと、唯は6年前に亡くなっているというのだ。
では、これまで悠と一緒に行動していた「唯」はいったい誰なのか――。
混乱する悠は、亡き母・楓が紫陽に宛てた手紙を思い出す。そこには「あなたを産めたことを誇りに思います」と書かれていた。
一方、平間は日江製薬と「樹木の会」の関係を追及していた。そして悠も、母・楓がかつて樹木の会の信者だったことを知る。
さらに、教団の教祖として語られていた人物が、牛尾であることも判明する。
そんな中、これまで「唯」と名乗っていた女性が京一の前に現れ、自分は石見崎の娘・真理だと告げる。
紫陽も唯も、いったい何者なのか――。

第6話 人骨とDNA一致の真相
「唯」と名乗っていた女性の正体は、石見崎教授の娘・真理だった。
真理は京一に紫陽の居場所を尋ね、京一はそこで衝撃的な事実を明かす。
なんと紫陽は、石見崎の子でもあるというのだ。
さらに悠は、事件の真相を知るため仙波を問い詰める。そして仙波の口から出てきたのが、「紫陽は挿し木」という言葉だった。
紫陽は通常の方法で生まれた人間ではなく、無性生殖によって生み出されたクローンだったのだ。
そして、樹木の会の教祖・真鍋の後継者として作られた牛尾もまた、クローンとして生み出された存在だった。
悠の母・楓も、真鍋の遺伝子を持つ子どもを産む実験に関わっていた。
すべての始まりには、京一の父が関わっていたことも明らかになる。
石見崎は研究の事実を公表しようとしていたが、その直後に牛尾と遭遇し、殺害されたのだった。
ついに明らかになった紫陽の正体。しかし、彼女は今どこにいるのか――。

第7話 謎めいた義妹の生死…生まれた新たな疑念
紫陽がクローンとして生み出されたことを知った悠は、さらに「樹木の会」と日江製薬の関係を調べ始める。
一方、平間も教団の元信者から、樹木の会には「災いをもたらした人物には、死んだ導師の魂が現れて粛清する」という不気味な噂があることを聞く。
そして、日江製薬が行っていた研究について重大な事実を掴み、記事にしようとする。
しかし悠は、記事になれば紫陽の存在まで世間に知られてしまうと考え、掲載を止めようとする。
ところが平間は、逆に「紫陽こそ事件の黒幕なのではないか」と疑い始める。
悠は平間と対立し、真理のもとへ向かう。真理は紫陽の居場所を知っているようだったが、「彼女と約束したから」と話そうとしない。
そんな中、香島も日江製薬の秘密を狙い、平間を襲って資料を奪う。
さらに仙波のもとには、人骨と孫の靴が送りつけられる。
そしてついに悠は京一と対峙するが、京一は悠に猟銃を向ける。
紫陽を守ろうとしているのは誰なのか――。

第8話 義妹は黒幕なのか…真相をめぐる裏切り
仙波のもとに送りつけられた骨は、協力者だった友江のものだと判明する。
事件の真相に近づく人物が次々と狙われる中、悠は「紫陽が今も生きているからこそ、彼女の存在を隠すために事件が起きているのではないか」と考える。
しかし、紫陽が生きているのだとすれば、いったい誰が殺人を繰り返しているのか。
そんな中、刑事・黛の正体が明らかになる。
なんと黛は「樹木の会」の信者だったのだ。
さらに多田刑事が仙波から話を聞こうとするが、黛によって連行されてしまう。
一方、前原は京一への不信感を募らせ、悠に紫陽の居場所につながる情報を伝える。
香島も京一に接触し、紫陽と一緒に中国で事業をしないかと持ちかける。京一はその話を利用して、香島を紫陽のいる場所へ誘導する。
しかし、そこに待っていたのは牛尾だった。
香島は殺害され、現場へやって来た悠の前には京一が立っていた。
そして京一が悠に猟銃を向け、銃声が響く――。
悠は無事なのか。そして紫陽はどこにいるのか――。

第9話 父が語る本当の真実
京一から「山城美術館に紫陽がいる」と聞かされた悠は、ついに妹と再会できると思い、美術館へ向かう。
しかし、京一の行動を怪しんだ悠は後を追い、日江製薬の応用技術センターへ。
そこで猟銃を手にした京一を見つける。
京一は牛尾を始末しようとしていたのだ。
そして、悠にこれまで隠してきた真実を語り始める。
悠の母・楓は、樹木の会が行っていた実験に自ら参加し、教祖・真鍋の遺伝子を持つ子どもを産むことを選んでいた。
妊娠したのは楓だったが、その後、計画は中止される。
それでも京一は、楓と生まれてきた紫陽を守ることを決意。紫陽は死産だったことにして、その存在を隠していた。
しかし楓は出産による負担が重なり亡くなってしまう。
紫陽を守るため、京一は悠から紫陽を遠ざけていたのだった。
一方、牛尾も研究の証拠を消そうとして動き始める。
仙波は牛尾を美術館へ誘い出し、いよいよ事件の最終局面へ。
悠はついに、4年前に消えた紫陽と再会することになる――。

最終話 宿命と運命
山城美術館に現れた牛尾は、紫陽を探していた。
真理が「ここには私しかいない」と答えた直後、銃声が響く。
一方、悠は京一と仙波から、これまで隠されていた紫陽の出生と事件の真相を聞かされ、急いで美術館へ向かう。
そして悠は、ついに紫陽と再会する。
しかし、そこへ牛尾が現れ、紫陽を「失敗作」として殺そうとする。
牛尾自身もまたクローンとして生み出された存在で、自分も紫陽も人間ではないと思い込んでいた。
そんな牛尾から紫陽を守るため、京一が動く。
京一が牛尾の持つポリタンクを猟銃で撃つと、牛尾は炎に包まれる。
瀕死の牛尾は仙波の前までたどり着くが、そのまま息絶えてしまう。
その後、病院で仙波は紫陽と対面する。クローンという存在を受け入れられなかった仙波だったが、紫陽を守るために生きてきた京一たちの思いを知る。
京一は警察へ出頭。
そして悠と紫陽は、互いに「忘れない」と言葉を交わし、それぞれの人生を歩んでいく。
最後に悠は真理とともに、紫陽の名前にもつながる紫陽花の枝を土に植えるのだった。

観終えて
「200年前の人骨と、4年前に失踪した義妹・紫陽のDNAが一致」という謎。
紫陽は本当に存在するのか?
一緒に事件を追っている唯は何者なのか?
そして、誰が味方で誰が敵なのか?
次々と新しい謎が出てくる展開に、ついていくのが大変でした(笑)
途中からかなり複雑な展開でしたね。
それにしても牛尾。
あのポリタンク片手に追いかける姿が不気味で、すごく怖かったですね。
そして、紫陽がクローンとして生まれたことが判明。
悠が何度も思い出していた紫陽は、いつもどこか不安気で、今にも消えてしまいそうな寂し気な表情をしていました。
それが、こういうことだったのか……と、ここで腑に落ちました。
紫陽や牛尾が「自分は何者なのか」という苦しみを抱えていたことが分かり、ちょっと切なくなりましたね。
そして、京一。
ずっと何かを隠していて、途中では「もしかして悠の敵なの?」とまで思いましたが、ただひたすら紫陽を守りたかったのだとわかりました。
これはホッとしましたね。
一人になってしまった悠が、父親にまで裏切られたら辛いですからね……。
最後は、「200年前の人骨と紫陽のDNAがなぜ一致したのか」という謎もしっかりつながって、納得。
今まで紫陽の存在を隠されてきた仙波も、最後には紫陽を受け入れて治療しますが、あそこまで回復して元気に歩いてるのにはちょっとびっくり。
ようやく再会できた悠と紫陽。
互いに「忘れない」と言葉を交わし、それぞれの人生を歩んでいった二人。
もしかしたら近い将来、人のクローンが現実になるのだろうか……。
そんなことを考えながら、毎週楽しみにしていました。
サスペンスミステリーとして、とても楽しめる作品でした。


